お風呂で髪を洗っているとき、
しまった!シャンプーとリンスを間違えた!
なんて経験はありませんか?
髪を洗っている最中は目をつぶっていることも多いので、うっかり間違えてしまうことがありますよね。
実は、シャンプーボトルにギザギザがついているのには、そんなちょっとした困り事を解決するための工夫なんです。
そして、それを"ユニバーサルデザイン"と呼ぶんです。
"ユニバーサルデザイン"という言葉を聞いことがあっても、「意味はよくわからない」という人がほとんどですよね。
そこでこの記事では「シャンプーに隠されたユニバーサルデザイン」について解説していきます。
身近なシャンプーを例に解説していくので、最後まで読んでみてください。
ユニバーサルデザインとは
ユニバーサルデザインとは「多くの人が利用しやすいデザイン」を意味します。
現代社会では、高齢化や多様性の進展により、人々のニーズはますます多様化しています。
従来の「標準」と呼ばれるデザインでは、すべての人に対応することは難しくなっています。
ユニバーサルデザインは、こうした多様なニーズに対応するために生まれた考え方です。
誰もが利用しやすいようにデザインしているんだね!
シャンプーやリンスに、ユニバーサルデザインが採用されている
引用元:花王HP
シャンプーボトルのギザギザは、触覚記号と呼ばれるユニバーサルデザインの要素の一つです。
視覚障がい者が洗髪している時、感触でシャンプーとリンスを区別できるようにギザギザがつけられました。
それだけでなく、みんなが目をつぶってシャンプーしているときでも、感触だけでシャンプーと認識することができるようになっています。
このように、誰もが使いやすいデザインを「ユニバーサルデザイン」といいます。
みんなが使いやすいデザインだね!
シャンプーにユニバーサルデザインが採用されたきっかけ
最初にユニバーサルデザインを取り入れらたのは、花王です。
1989年、花王に「シャンプーとリンスの容器が同じで紛らわしい。形を変えて欲しい!」という消費者の声が寄せられました。
当時、シャンプーとリンスの容器は形状が似ており、目が見えない方や、目をつぶって洗髪している時に間違えてしまうことが少なくありませんでした。
この声を受け、
- 視覚障がい者でも使いやすい
- 触って簡単に区別できるシャンプーボトル
という、これまでにないシャンプーの開発に取り組みました。
そして、1991年にシャンプーボトル側面にギザギザをつけるというユニバーサルデザインが誕生しました。
シャンプーのギザギザは、業界全体に採用されていった
その後、花王の呼びかけにより、シャンプーボトルのギザギザは業界全体に広まりました。
現在では、多くのシャンプーボトルにギザギザが採用されており、視覚障がい者の方々をはじめ、多くの人にとって使いやすく、便利なデザインとなっています。
花王が広めていったんだね!
シャンプーボトルにほどこされた工夫
シャンプーやリンスのボトルには、どちらか識別するためのギザギザがついています。
それ以外にも、
- シャンプーボトルの文字を大きく、読みやすいフォントにすること
- シャンプーボトルの形状を手に持ちやすいようにすること
などの工夫がされており、様々な人が使いやすいように工夫されています。
これにより、目の見えない方だけでなく、私たちも便利に使うことができているというわけです。
詰め替え用の容器にも、ユニバーサルデザインが隠されている
引用元:花王HP
花王は、2016年からシャンプー・コンディショナーの詰め替え容器のキャップに「きざみ」と「ライン」を採用しました。
これは、視覚障がい者の方でも触覚でシャンプーとリンスの区別ができるようにするためです。
また、業界全体としても、詰め替えパウチに「きざみ」や「ライン」を採用する動きが広がっています。
詰め替え用の容器にもユニバーサルデザインが採用されることで、視覚障がい者の方でもシャンプーやリンスを使うことがより便利で安全になります。
まとめ
この記事では「シャンプーに隠されたユニバーサルデザイン」について解説していきました。
目の見えない人だけでなく、私たちみんなが使いやすいように工夫されているのがわかったと思います。
他にも身近なところにユニバーサルデザインが隠れているので、ぜひ探してみてくださいね。