広告会社の作る広告は、大勢が関わっている
先日、下記のツイートをしました。
https://twitter.com/telesta_design/status/1304597744372256768
このツイートについて詳しく解説していきますね。
広告を作っているのはデザイナー。だけじゃない
広告を作る人はだれかと聞くと、大抵の人が「デザイナー」と答えますよね。
でもこれ、当たってるとも言えるし、間違ってもいるんです。
広告は複数人のチームで作られている
具体的には下記の人たちが広告を作っています。
- デザイナー
- ディレクター
- 校正
- 校閲
- 営業
- クライアント担当者
- クライアント上層部
- カメラマン
- コピーライター
- イラストレーター など
どうでしょうか?びっくりするぐらい多いですよね。
でもこれが広告会社では当たり前です。これだけの人数でチームを組み、一つの広告を制作しているんです。
広告ができるまでの流れ
ざっくり説明すると下記の流れで制作します。
- 営業がクライアントから依頼を受けます
- クライアントの元に、営業・ディレクターがヒアリングをしに行きます
- ディレクターがヒアリング内容から企画を考え、提案書を作成します
- クライアントに、営業・ディレクターで提案をしに行きます
- OKがでたら、ディレクターが制作の担当者を決めます
- ディレクターから、デザイナー・イラストレーター ・カメラマン・コピーライターに指示がきます
- 指示に合わせて、デザイナー・イラストレーター・カメラマン・コピーライターが制作をします
- ディレクターが全てをまとめて、クライアントに提出します
- OKがでたら、納品して完了です
営業がクライアントから依頼を受けます
まずは窓口である営業が、クライアントから依頼を受けます。
ヒアリングのための打ち合わせの日を決めていきます。
クライアントの元に、営業・ディレクターがヒアリングをしに行きます
打ち合わせ当日、クライアントの元に営業・ディレクターがヒアリングをしにいきます。
- 今回の目的
- ターゲット
- 希望予算
- 媒体
- 訴求したい商品 など
この段階でクライアントの要望を全て聞き出していきます。
ディレクターがヒアリング内容から企画を考え、提案書を作成します
ヒアリングの後は、聞いてきた要望や予算から、最適な企画を考えます。←超重要
これが失敗すると、最悪依頼は白紙になってしまうため、ディレクターは頭をフル回転させて企画を練ります。
そして必要があれば、この段階でデザイナーやイラストレーターに素材の制作を依頼します。
※仮のロゴデザイン、イメージ画像の作成など
クライアントに、営業・ディレクターで提案をしに行きます
ディレクターが死に物狂いで完成させた企画書を、クライアントに提案します。
クライアントが大手であるほど、複数社が提案し、コンペ形式で競わされる場合もあります。
ディレクターは考えてきた企画を、大勢のクライアント、競合の前でプレゼンします。

てれすたその時の空気はピリピリなんてもんじゃない
OKがでたら、ディレクターが制作の担当者を決めます
企画が通った、もしくはコンペに合格したら、いよいよ制作が始まります。
企画のデザインやテイストなどによって、最適なデザイナーやイラストレーターを選びます。
ディレクターから、デザイナー・イラストレーター ・カメラマン・コピーライターに指示がきます
ディレクターから、デザインに関する具体的な指示をもらいます。
文言やテイスト、写真のアングルや、イラストのテイストなど、細かく指示をもらいます。
指示に合わせて、デザイナー・イラストレーター・カメラマン・コピーライターが制作をします
ここからがデザイナーの出番です。
指示を受けて、ようやく制作を開始します。
ラフ案や素材などはディレクターから指示をもらっています。その指示通りにデザインを制作していきます。
ディレクターが全てをまとめて、クライアントに提出します
デザインが出来上がったら、ディレクターに提出します。
ディレクター、校正などのチェックを受けて合格したら、クライアントに完成品が送られます。
OKがでたら、納品して完了です
クライアントからOKがでたら、印刷物などを納品して完了です!
デザイナーの役割ってなんだろう?
全体の流れをみて、思ってたデザイナーと違うって思った方もいると思います。
じゃあデザイナーの役割ってなんなの?その答えは下記の通り。
全ての要素を取り入れた広告を形作ること。
依頼があるとまず、クライアント・営業・ディレクターが会議をひらき、企画を練って、戦略を決め、デザインの方向性を決めます。
その決まった方向性に合うように、広告を形にする。
これがデザイナーの役割です。
つまり、デザイナーは自分の感性に任せてデザインをするわけではないんです。
自分の感性を活かすためにはどうしたらいいの?
下記の3つの方法があります。
- ディレクターになる
- フリーのデザイナーになる
- 違う広告会社に転職する
- アーティストになる
ディレクターになる
制作をすることはなくなりますが、ディレクターになれば、自分の感性を活かすことができます。
なぜかというと、ディレクターは企画の中枢を担う、いわばリーダーです。
そのため、どんな方向性でいくか、デザイナーは誰を使うかなど、全てを決める権利があります。
もし制作よりも、自分の感性や意見、アイデアを取り入れてもらいたいと思うなら、ディレクターという手もあります。
フリーのデザイナーになる
フリーランスとして独立してしまえば、営業もディレクターもいません。
つまり、自分で制作もできて、ディレクターのように全てを決められる権利も獲得できます。
その分かなり大変なので、ある程度の経験値を獲得してからなるようにしましょう。
自由には、それなりの実力と責任が伴うことを忘れずに。
違う広告会社に転職する
広告会社によって、デザインに特徴があります。
例えば、
- 女性デザイナーが多く、女性向けデザインを得意としている会社
- 男性向けの機械的なスタイリッシュなデザインが得意な会社 など
その会社ごとにデザインに特徴があります。
自分にあった会社に転職することで、得意なデザインに当たる確率も上がり、満足したものが作れるはずですよ。
むしろ、あっていないデザイン会社に勤めていると、実力が発揮できません。
その会社は何を得意としていて、どんなデザインを取り扱っているのか。見極めてから就職するようにしましょう。
アーティストになる
上記のどれにもなりたくない、自分には合わないという場合は、デザイナーよりもアーティスト向きかもしれません。
デザイナーはクライアントの要望を叶えてあげることが重要です。
アーティストは自分の個性を売るお仕事です。
もし自分を表現したいのであれば、アーティストとして個性で勝負してみてはいかがでしょうか?
まとめ
いかがでしたか?
たった一つの広告も、たくさんの人が関わっています。
これを知っておくだけで、依頼側も制作側もお互いに優しくなれますよね。
誰が偉いとかはありません。それぞれの担当者に敬意を持って接してみてはいかがですか?
それでは!